嫌な夢

 

もはや治らぬ病に囚われ、ベットでぼんやり空を眺めている。

友人達はさみしかろうと、酒盛りを始める。

静寂の中にいたいのに、騒ぎはますばかり。

ついに私は散乱したお酒やらつまみやらを、蹴りあげながら裸になり外に飛び出す。

友人達は口々に

「裸のままだ」

「昔からおかしい奴だった」

「警察に捕まっちゃうよ」

などと言いながら追いかけてくる。

 

やがて私はばったりと倒れ、気がつくと病院のベット。まさに間際となっていた。

 

傍らにはふたりの娘たちと、元パートナー。

娘たちを撫でながら伝えることは

「大丈夫。ほんの少し臆病なだけだから」

「ちょっぴりだけでいいから、勇気を持って自分の足で歩いていってね」

「あたしの宝物」

 

そして、元パートナーには何を言うのだろう?

夢の中の私をじっと観察している私。

謝っていた。

「ごめんなさい。上手くやれなくて」

ふとみると、母も兄も傍らに座っており、その姿をみて彼らの言葉がよみがえってきた。

兄「ぼくがいなくなったら、この子はなんにもできなくなる。だからあえて無視をしているんだ」

母「この子は社会性もないし、誰かが声をかけたり、お尻を叩かないとなんにもできないんです」

 

・・・ああ、そうか

元パートナーも注意や、指示や否定がほとんどだった。

あたしは、ただ褒められたかっただけなのに、できない私は結婚して、できるはずと確認したかったのかもしれない。そして、否定から逃れるために別れを告げたのかもしれない。

人の気持ちを知るすべもなく、自分の気持ちが優先。日々の生活もまともにできない。自己中の、こんな人間が人に合わせようとしても、苦しくなるばかり。人と暮らすことなどできるわけもなかったのだ。

だとしたら、酷い迷惑をかけたのかもしれない。

何度も何度も謝り続けながら目を覚ました。

 

憂鬱な朝。