お祭りの日

社務所の中は  脚絆を巻いた大人達

 

神社の扉は開かれて

みんなと覗く異次元世界

 

小さな神社の小さなお祭り

 

お獅子様はまだまだこない

 

長いちょうちん

四角のちょうちん

ちっちゃな神輿

 

お祭りのお楽しみは星が出てからだもの

1度帰ってまたこよう

みんなと約束  走って帰る

 

 

家に近づき

 

何かがおかしい

見上げた家は灰色雲におおわれて

何かが違う

 

そっと近づき玄関の扉に耳をあてる

家の中はしんとして

けれども何かの気配

 

"まだ  だめだな"

何故そう感じたのかもわからない

 

そっと家を離れ

神社に向かう細道は

あたしの靴しか歩いていない

 

ぼんやり座る社の隅で

まとわりつくのは   砂ぼこりの匂い