雪ウサギ

 

深夜の帰路

そこは山道で道も木々も雪化粧

 

ふと

向こうに、ぼんやり立ってる小動物

 

それはまるでピーターラビット

 

と思ったのは一瞬で、現実は危うく轢きそうになり、冷や汗なのです

 

「母さん聞いて!今日ね、びっくりしたんだよ。急に眩しくなったの。そしたらね、水色の大きな熊だったんだ!ピカピカ光る目玉で、もうもうと白い雪を巻き上げて走って行ったよ。恐かったー」

 

「なんだって!またあの杉林の向こうに行ったのかい!あれほど、行くなと言っているというのに!あそこは、獣の棲まうところ。ほんとに呆れた子だよ!さあ、罰だよ!お尻をお出し!」

 

「ごめんよぅ、ごめんよぅ」

 

あのこは、そんな風に叱られたろうか

ぱしぱし叩かれたお尻はひりひり痛んだろうか

けれども。きっと。

ベッドに潜り込んで

ニヤリとしながら眠りについたに違いないな